政府・与党が16日に決定した2023年度税制改正大綱に、NISA制度の恒久化や年間で投資できる枠を360万円に拡大することなどが明記されました。
色々と情報が出ていた新NISA制度ですが、一段落しましたね。
個人的には未成年への拡大が無かったのが唯一の残念ポイントでしたが、素晴らしい制度に近づいています。
この2024年から始まる新NISA制度をどう活用していくか?
現時点での考えをご紹介します。
2024年から始まる新NISA制度の概要(改正ポイント)
2024年度から始まる新NISA制度と現行の一般NISAとつみたてNISAと比較してみます。
〇投資可能額(年間)
つみたてNISA:40万円
→新NISA(つみたて枠):120万円(80万円up)
一般NISA:120万円
→新NISA(成長投資枠):240万円(120万円up)
〇生涯投資上限枠
つみたてNISA:800万円(40万円×20年)
一般NISA:600万円(120万円×5年)
新NISA:1800万円(成長投資枠は1200万円が上限)
〇非課税期間
つみたてNISA:20年
一般NISA:5年
新NISA:無期限
〇制度が使える期間
つみたてNISA:2042年まで
一般NISA:2023年まで
新NISA:恒久化
これまでつみたてNISAと一般NISAは同時併用不可でしたが、それも可能となり年間投資可能額は非常に高くなり、生涯投資上限額も高額になりました。
さらに非課税期間が無期限となり、制度も恒久化されるということで素晴らしい制度になりました。
ただし対象年齢は18歳以上ということで、未成年は除外されました。
ジュニアNISAが2023年末で終了ということで、未成年は特定口座での運用を余儀なくされています。
ただ年間投資可能額が360万円ですから、夫婦2人でも720万円(毎月60万円)なので、子どもの投資分の余裕はないでしょうし、夫婦2人分もキツイ、何なら1人分でも毎月30万円ですからかなりしんどいです。
2023年の投資方針
新NISA制度開始は2024年からです。
2023年はこれまで通りつみたてNISA、ジュニアNISA、iDeCoを実施予定です。
年間で総額200万円程度投資予定です。
2024年に向けて現金比率を高めようかと思いましたが、新NISA制度は焦らずじっくり使っても良いかなと考えています。
さらに新NISA制度はこれまでのNISAは関係ないそうなので、少しでも非課税枠を使った方がお得だと思います。
しかし特定口座での投資は2023年は実施しない予定です。
あくまでも非課税枠内の投資にとどめます。
新NISA制度の活用方法
わが家では基本的に成長投資枠から投資することを考えています。
理由は配当金アップです。
成長投資枠の上限1200万円を埋めてから、つみたて枠を利用しようかなと考えています。
まずは成長投資枠は高配当株に投資して、その配当金等でつみたて枠を埋めたいと考えています。
そう考えると240万円×夫婦2人=480万円 が1年間で必要になります。
特定口座からの移し替えや新規投資枠で対応していこうと考えています。
生涯投資上限枠は買付残高で管理されるようなので、最初は今の特定口座から損益通算しながら移管し、徐々にVYM(米国高配当ETF)などの信頼できる高配当ETFに置換していくことを考えています。
そのため最初は新NISA制度でも現在保有しているタバコ株やJEPIに投資することになると思います。
2029年からはセミリタイアやサイドFIRE達成者が続出?
2024年からの5年間で夫婦で3600万円投資できます。
これが非課税であり配当利回り3%でも約110万円となります。
仮にJEPIやQYLDなどの超高配当ETFを夫婦で成長投資枠上限まで投資すると、2400万円の10%の約240万円の配当金が得られます。
さらに非課税期間は無期限ですから、セミリタイア生活やサイドFIREとの相性はとても良いですね。
さらにセミリタイアやサイドFIREしなくても、配当金増加により家計が楽になり、仕事をセーブして趣味や大切な人との時間を増やす等の選択も容易になります。
その観点から見ても、今回の制度改正は働き方変更も含めて非常に良い改正だと思います。
新NISA制度のデメリットはないのか?
現在のところ、見当たりません。
しかし、セミリタイアやサイドFIREを目指す人は注意が必要です。
早くセミリタイアやサイドFIREを達成しようとして「大切なもの」をおろそかにしてしまう可能性があります。
入金力を高めようとして残業したり、副業に精を出したりして、「大切なもの」との時間が減っては本末転倒です。
このような状況に陥りやすくなるのが、この新NISA制度の唯一のデメリットかなと考えています。
焦らずにゆっくりと自分でできる範囲でしっかりと投資したら良いと思います。
私もそうするつもりです。
ゆっくりお金持ちになりましょう。
そしてそもそも自分の幸福に「お金持ちになる必要があるのか?」を考えてみるのもお勧めです。