インデックス投資が最適解と分かっていても、配当金を増やしたいという欲望に抗うのは難しいです。
しかしポートフォリオの大部分を高配当株に投資するとキャピタルゲインを得られにくい問題も生じます。
インデックス投資と高配当株のハイブリッドは精神的な安定は得られますが、やはり配当金が物足りない場合が多いです。
そんな悩める個人投資家の方々に効率よく配当金をGETし、キャピタルゲインと両立する投資戦略をご紹介します。
それは超高配当株を活用した投資戦略です。
この戦略は私の下記欲望を高い水準でカバーしてくれています。
・相場上昇の恩恵を受けたい(キャピタルゲインが欲しい)
・配当金を増やして生活を豊かにしたい
・リスクはそこまで取りたくない
インデックス投資に全振りできない理由
個人投資家の最適解は個人投資家の欲望を満たさないのが理由だと考えています。
個人的にはインデックス投資100%のPFが最も効率が良いと考えています。
しかしこの投資手法を継続できない人が多く、個別株などに手を出す人が多い理由は何だと思いますか?
①現在の生活に全く変化がない
→投信だと分配金もないので、投資の恩恵が生活に反映されない
②目先の配当金の欲に勝てない
③すぐにセミリタイアやFIREに近づきたいという欲に勝てない
私はこのように考えています。
これは高配当株(主に高配当株ETF)をメインに投資している場合も同じです。
配当利回り3~4%台に慣れてくると満足できずに、より配当利回りが高い銘柄を欲してしまう傾向があります。
特にセミリタイアやFIREを目指す人は「一刻も早く」その状態に到達したいと考えています。
その欲が初心を変えてしまうのはよくあることです。
インデックスファンドと高配当ETF(VYMやHDV、SPYD)や高配当個別株を組み合わせるハイブリッド戦略も多いと思いますが、それだと配当金・分配金はなかなか増えません。
一刻も早く不労所得を増やしたい人にとっては多くの資産がないと厳しいです
配当利回り7%以上の超高配当株・ETF投資戦略
現在私が保有している配当利回り7%以上の銘柄は3つです。
①MO(アルトリアグループ)
米国のたばこ企業で、50年連続増配の配当王銘柄。
購入金額での配当利回りは約9%。
②BTI(ブリティッシュアメリカンタバコ)
英国のたばこ企業で購入金額での配当利回りは約9%
③東証版QYLD(2865)
毎月分配のETFで分配金利回りは約7~10%
PFのメインは王道のインデックスファンドやVIG(米国増配ETF)、VYM(米国高配当ETF)で60%以上を占めています。
高配当株・ETFの主力もVYM(米国高配当ETF)であり、米国債券(利回り4%台)が占めています。
- この戦略なら以下の欲望を高い水準で全て満たすことができます。
- ・相場上昇の恩恵を受けたい(キャピタルゲインが欲しい)
- ・配当金を増やして生活を豊かにしたい
- ・リスクはそこまで取りたくない
相場上昇の恩恵はインデックスファンドで達成し、配当金も超高配当株を活用して多くもらう作戦です。
上記の3銘柄がPFに占める割合は約15%ですが、配当金に占める割合は約60%です。
通常の高配当株(利回り3%)投資との比較
では高配当ETFに全額投資する場合と比較してみます。
高配当ETFのVYM(利回り3%と仮定)に5000万円投資
→年間配当金は税引き前で150万円
私の超高配当株3銘柄の場合、VYMの1/3の投資金額で同じ配当金が得られます。
増配率はVYMに劣るので、数十年後はもう少し投資金額が必要になるのは事実です。
しかし高配当株全額投資だと株価上昇時、指数に大きく負けることがあります。
目先の配当金は増えますが、指数上昇でキャピタルゲインを逃すのも悔しいですよね。
超高配当株を組み合わせたPFの半分はインデックスファンドやVIGなので株価上昇の波に乗ることもできます。
私はこのPFにしてから年間配当金は170万円(税引き前)でありながら、含み益も1000万円を超えています。
その含み益の多くはインデックスファンドやVIGです。
目先の配当金も多くもらえて、相場好調時の恩恵も受けられるPFなので精神的にとても安定しています。
配当利回りの高い超高配当株って大丈夫なの?
一般的に超高配当株って減配リスクや業績悪化のイメージがありますよね。
ほぼ全ての超高配当株はそうだと思います。
私がなぜ超高配当株を上記3銘柄にしたかの理由を説明します。
①MOとBTIのたばこ株
MOは50年連続増配の実績があり、大麻企業などにも出資しており、今後のたばこ代替ビジネスの可能性もある。当分減配リスクはないと考えている。
MOは米国国内のみの販売に対し、BTIは全世界に販売している。
PM(フィリップモリス)とMOは元同一企業なのでPMではなくBTIを選択。
世界的に見れば人口増加は続き、喫煙者も発展途上国を中心に増えると考えている。短期での減配リスクは少ないと考えている。
②QYLDや東証版QYLD(JEPIも同様)
禁断の果実という認識で、リスクは承知の上で投資を実行。
仮にこの3銘柄が減配や暴落し株価が50%下落してもPFに占める比率は元々15%ですから、7%ちょっとの損害で済みます。
個人的には超高配当株である程度安心して投資できるのはたばこ株だけだと考えています。
私は2018年から保有していますが、コロナショック等でも業績は安定しており、増配もしています。
資産形成期初期よりも後期で使いたい戦略
最初にも言いましたが、最も効率の良い投資手法はインデックス投資100%だと考えています。
ではなぜこのような戦略を取っているのか?
それはわが家の資産がある程度増え、配当金のためだけにそれなりの投資資金を捻出できるようになったからです。
そして金融資産の力だけで資産が増えていくレベルに到達したから採用しています。
具体的にアッパーマス層(資産3000万円以上)に到達した頃から配当金メインにシフトしてきました。
しかし配当金に全振りすると上昇相場に乗れないこともコロナ前の相場で痛感しました。
人には色んな欲望があり、時にはその欲望が矛盾する時もあります。
効率よりも大事なのは市場に居続けることです。
市場に居続けるために大事なことは精神的な安定です。
精神的な安定のためには自分の欲望に素直になることも大事だと考えています。