セミリタイアやアーリーリタイア、完全FIREやサイドFIREなどがブームですが、今回はこれらの「継続性」について考えてみました。
そのセミリタイアやFIREの継続性ってどうなの?
安全・安心のFIREって存在するの?
そもそもFIREって必要なの?
超高配当ETF(JEPIやQYLD)でのFIREやセミリタイア
JPモルガンエクイティプレミアムETF(JEPI)やナスダック100連動カバードコールETF(QYLD)を用いたらFIREの難易度はグッと下がります。
このETF達の配当利回りは10%を超えます。
高配当株ETFの代表格であるVYM(バンガード米国高配当株式ETF)は3~4%ですから、必要な資金は1/3で済みます。
しかし、このFIREには多くの人が懐疑的だと思います。
その理由が継続性だと思います。
30~40代であれば、FIRE後も40~50年の人生があります。
そのために10%以上の配当利回りを維持してもらう必要がありますが、過去の株式の平均リターンが約7%だと考えると、この10%以上の配当利回りが続く可能性は低いと皆考えている訳です。
VYMやその他高配当株でのFIREやセミリタイア
FIRE後の人生の長さが40~50年だと仮定すると、VYMやHDV、その他高配当個別株の組み合わせでのFIREを考える人が一般的だと思います。
VYMやHDVのETFであれば、これまでの実績・増配から、高配当個別株であれば、株価の推移、業績、業態、増配率、配当性向などから安心感を得られることでしょう。
ただ今後の人生が40年~50年ある中で、自動で組み換えできるETFならともかく、高配当個別株の組み合わせは「継続性」という観点から、少し分が悪いと考えます。
不動産収入によるFIREやセミリタイア
株式の配当金や分配金の継続性が怪しいなら、不動産はどうか?
これも怪しいですよね。
そもそも災害リスクがありますし、流動性も低いです。
地震などの自然災害を考慮すると、不動産は株式よりも「継続性という観点」では劣ると考えています。
株式と不動産を組み合わせてのFIREやセミリタイア
これも割と多い組み合わせだと思います。
ただこの場合は株式と不動産の片方ずつでFI(経済的自立)を達成している必要があります。
そうしなければ、どちらかがこけた時に、FIREの継続性は失われてしまいますからね。
ただリスク分散という観点からは良いと思います。
あくまでもFIREの継続性だと、あまり意味のないことになります。
必要以上の大金を持ってFIREするしかないのか?
FIREの継続性という観点から考えると、継続性を保つための最適解は「必要以上の資産を持ってからFIREする」ということになります。
それ以外の最適解は思いつきません。
①資産5000万円でJEPIに全額投資で配当金500万円でFIREしてる人
②資産2億円でJEPIに全額投資で配当金2000万円でFIREしてる人
どちらが安心感がありますか?
おそらくほとんどの人が②だと思いますが、①の年間生活費が250万円、②は2000万円だったらどうでしょうか?
身も蓋もないことを言えば、実は「FIREの継続性」については誰にも分からないのです。
ではなぜJEPIやQYLD全額投資よりもVYMやHDV等の高配当ETFや高配当個別株の組み合わせの方に安心感を感じるのか?
それは「自分の思い描いたストーリーの中で築き上げられた安心感」があるからです。
そもそもVYMやHDVも40~50年という運用実績はありません。
たしかにJEPIやQYLDと比較すると、VYMや高配当個別株の組み合わせの方が安心できる気がしますが、それは自分の主観に他なりません。
未来は誰にも分からないのです。
もしかしたらJEPIやQYLDの10%以上の配当利回りは40~50年続くかもしれません。
そうであれば、主観で構成された未来予想図(自分がこうなって欲しいと考えている妄想)が何と無意味なことか・・・
FIREの継続性とか無駄なことは考えない
ここまでFIREの継続性について考えてきました。
そして未来は誰にも分からないから、継続性など考えても無駄だという結論に達しました。
だから私はFIREの継続性にこだわる必要は全くないと考えています。
ずっとFIしないといけないという決まりはありません。
「一度FIREしたけど、FIREじゃなくなりました」はカッコ悪いですか?
そんなことはありませんよね。
幸福な人生の定義は人それぞれです。
各々が周りに囚われずに、自分と大切な人が幸福になる選択をすれば良いだけの話です。
私はFIREの継続性のため(必要以上)にお金を貯めるよりも、家族との時間を大切にしました。
「そもそもFIREって何の(誰の)ためにするんだっけ?」
たまには初心に返って、目的を忘れないようにしたいものです。