若い世代には投資は確実に広まりつつあり、20~30代で資産数千万円を達成してる人も増えている印象です。
しかし、その規模の資産を持っていてもセミリタイアやアーリーリタイア、サイドFIREに踏み出す人はまだまだ少数で、皆口をそろえて「40代でサイドFIREが目標」とされています。
資産運用では現金比率が数%~10%以内などリスクを取り、リターンを重視している人も、セミリタイアやサイドFIREに関してはリスクを極端に恐れています。
投資のリスクとセミリタイアやサイドFIREのリスクは何が違うのでしょうか?
一旦リタイア生活に入る(退職する)と後戻りできない
投資のリスクはボラリティ(変動)です。
対してリタイア生活のリスクは何でしょうか?
私は「後戻りできないこと」だと考えています。
投資の場合は含み損を抱えることもありますが、「いずれ回復する」、「長期で見れば右肩上がり」とに将来を楽観視している人が多いです。
対してセミリタイアやサイドFIREなどは一度退職する場合がほとんどですから、後戻りはできません。
会社員時代の収入や肩書が再度欲しくなっても手に入れられるものではありません。
その状態で人生の災難が起こった時に対処できないと悲観視している人が多いです。
そのため多くのセミリタイアやサイドFIRE希望者は「そんな心配は絶対にしたくないレベルでお金を貯めてから、行動したい(リタイアしたい)」と考えているようです。
このように投資のリスクは「ボラリティ」、リタイア生活はリスクは「後戻りできないこと」だと私は考えています。
暴落は起こるが、リタイア生活の危機は起こるか分からない
株式市場の暴落は長期投資をしていれば必ず起こります。
コロナショックも暴落と言えるでしょう。
そして今後何十年も投資を続けていく中で、暴落はほぼ100%あると多くの投資家が考えると思います。
それに対してリタイア生活の危機が起こる確率はどれくらいでしょうか?
私は高く見積もって10%未満だと考えています。
理由は「心配事の9割は起こらない」からです(笑)
それなのに多くの人はリタイア生活の危機に悲観的思考を行い、必要以上に怯え、それが取り除かれるまで行動しようとしません。
賢い人は将来を現実的に捉え、楽観視しません。
そのためあらゆる可能性を考慮に入れて、それに対応すべきと考え、必要以上のお金を貯めるケースが多いと思います。
さらに日本人の多くが心配性であるということを考慮すると、私達は余計なこと(ほぼ起こることが無いこと)にまで対応しようとしてるのかもしれません。
それは非常に勿体無いことだと思いませんか?
リタイア生活の危機にも備える方法はお金だけではない
それにリタイア生活中にお金の心配をする出来事が発生してしまったら、再度働けばよく、そのための準備をリタイア生活中にしていれば良いだけです。
自分の興味・関心のある分野について勉強なり資格取得しておくと良いと考えています。
リタイア前ではなく、リタイア後に対応することを心がけても良いはずです。
完全なるリタイア生活のためのお金を貯める時間があったら、すぐにリタイア生活に入ってその時間の一部をリタイア生活の危機に備える時間に充てた方がよっぽど効率的だと思います。
そしてそのリタイア生活の危機に備える時間は自分の興味関心がある分野なら、有効な時間の使い方になると考えています。
後戻りできないリスクは会社員も一緒
冒頭に「リタイア生活のリスクは後戻りできないこと」と言いました。
それは会社員でも同じです。
「人生は後戻りできない」
後戻りできないのはリタイア生活だけのリスクではありません。
人生とはそういうものなのです。
会社員でも急な倒産・事故・病気・身内の不幸などの生活を破綻させるような危機はあり、それはリタイア有無にあまり関係ないと思います。
未来は何が起こるか分かりません。
将来起こる確率が10%未満のことを心配するのか?
90%起きないと考えて、少しだけ備えながら自由に行動するのか?
あなたはどちらを選択しますか?