先日あるFP事務所が主催する投資入門セミナーに行ってきました。
投資歴7年目なのですが、その入門セミナーに行った理由は「競合調査」と「勉強」です。
私も本格的にFP業務を行うに当たり、地域のFP事務所にどのようなFPがいて、どのようなセミナーをしているのか?を勉強しに行きました。
結論から言うと、セミナー内容の8~9割は「正しい/一般的な」ことを話しており、1~2割に矛盾やそのFP事務所に都合の良い話が盛り込まれていました。
それでは早速紹介・解説していきます。
投資入門セミナーの内容
まず投資入門セミナーのオープニングはFPの自己紹介と「ネットには投資に関する間違った情報が沢山あるので、注意が必要です」といった提言がありました。
その後は投資の基礎知識として
・株式や投資信託について
・投資と投機の違いについて
・投資の3原則(長期・分散・積立)
・運用で大切なのは資産配分
と言う話がありました。
投資が必要な理由としてインフレにも触れていました。
「投資対象は先進国か全世界にするべきであり、よくネットでお勧めされている「S&P500」は米国集中になるからやめておけ」ということでした。
特定の業種や流行り(AIやメタバース)などにも集中投資しない方が良いという話でした。
さらにNISAやiDeCoの制度についても説明がありました。
ここまでの内容は全て私も同意することです。
(私はかなり米国集中投資しておりますが、他人には全世界株式インデックスをお勧めします)
ただ、これから投資を始めようとしている人には少し内容が難しいと感じました。
これもおそらくFP事務所の作戦だと思いますが、後述します。
このセミナー中にある矛盾やFP事務所に都合の良い話が盛り込まれていました。
①投資信託を比べるのは手数料ではなく手取りリターンである
②変額保険を勧めている
③内容が初心者には少し難しい
変額保険や投資信託の手数料は非常に厄介である
セミナーでは先進国株式インデックスとあるアクティブファンドの30年チャートを紹介していました。
そして「先進国インデックスよりも数倍上昇しています。さらに手数料込みの結果です!」と解説していました。
しっかり信託報酬が1.6%、購入手数料3.3%と明言してのは好感ポイントです。
ただその前に個別株は「伸びる会社を当てるゲーム」だと言いながら、「伸びるアクティブファンドに投資するべき」という論理展開の破綻に気付かないのかな・・・
伸びる会社を当てるのがギャンブルならアクティブファンドはギャンブルの集合体だと思うんですよね。。
さらに長期・分散・積立すれば長期で右肩上がりはインデックス(指数)の話であって、アクティブファンドに該当する訳ではないと思います。
最後の最後にアクティブファンド勧めてきたので、少しびっくりしました・・・
やはり初心者には素直に先進国株式インデックスか全世界株式インデックスで良いだろうと思いましたが、FP事務所も儲ける必要がありますからね。
変額保険も同様に教育費や老後などにお勧めという話でした。
こちらも手数料が高いのが個人的にはネックだと考えています。
なぜ投資入門セミナーが難しいのか?
この投資入門セミナーは無料でした。
さらにセミナー参加者限定で個別相談を無料で実施してくれるそうです。
(通常は数万円必要)
おそらくこの投資入門セミナーは「投資や資産運用に興味関心はあるけど、どうしたら良いか分からない」という層向けです。
ただ内容が少し難しい。
実際に私以外の参加者からは「内容が難しかった」との感想が出ていました。
そもそも他の人は「ネット証券とは?」というレベルでした。
そこで登場するのがセミナー参加者限定の無料個別相談です。
恐らく投資についてよく分かっていない層の人がこの入門セミナーを聴いたら、「やっぱり投資は難しい。専門家に任せよう」と考える人も多いはずです。
それがFP事務所の狙いだと思います。
無料個別相談で思考停止した参加者は手数料の高いアクティブファンドや変額保険を勧められるのでしょう。
そしてよく分からないままに高い手数料で長期分散積立投資を始めてしまう。
この入門セミナーではネット情報は信用できないことも語られていたので、中々巧妙に仕組まれていますよね。
私ももちろん個別相談会に申し込んでいるので、続報があれば、また記事にしたいと思います。